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ビクトリノックスの歴史
■伝統を踏襲しながらも、常に新たな チャレンジを続ける姿勢こそ、VICTORINOXイズム

創業者カール・エルズナー
ビクトリノックスは2009年に、創業125周年を迎えました。ビクトリノックスの物語は、スイスの小さな村から始まりました。創業者であるカール・エル ズナーは、1860年、帽子工場を営む夫婦の間に、4番目の息子として生を受けます。農業を除けばこれといった仕事のなかった村で、彼はナイフ作りの技術 を学ぶことを決心し、ドイツ、フランスへと修行を積み重ねます。彼が刃物職人として独立する夢を叶えたのは、1884年、24歳の時です。故郷のイーバッ ハでワークショップを開くと、やがてカール・エルズナーのつくる刃物の素晴らしさが人づてに知られるようになっていきました。彼の名を一躍有名にしたの は、1891年にスイス陸軍に納入した「ソルジャーナイフ」。それまでドイツ刃物産業の中心地ゾーリンゲンから購入するのを慣例としていた軍が前例をひる がえし、母国スイスから購入を決めたのです。


オフィサーナイフ1897

それから、いくつものポケットツールが考案され、現在のビクトリノックスの原形ともいえる「オフィサーナイフ」に辿りつきます。このモデルには、メインブ レード、イレーシングブレード(小刃)、穴開け、缶切り、スクリュードライバー、コルク抜きの6つのパーツが装備されていました。6つのパーツに対してわ ずか2つのバネを使った、この新しいマルチツールは1897年に特許を取得、またたく間に人気を集め、外国からもさばき切れないほどの注文が押し寄せまし た。と同時に、ドイツから類似品が市場に溢れるという事態もおきます。そこで1909年、類似品と区別するため、赤いハンドルにスイス製の証であるスイス の国章を初めて刻みました。現在も、その使用をスイスから認められ、世界に多くの愛好者を持つ独創的なデザインがこうして生まれたのです。

工場

『Victorinox(ビクトリノックス)』。その名前は1909年に亡くなったカール・エルズナーの最愛する母のクリスチャンネーム 「VICTORIA(ビクトリア)」と、1921年に発明されたステンレススチールの国際的な名称である「INOX(イノックス)」を一つに組み合わせた ものです。時代が生んだステンレススチールという新素材をいち早く採用し、ステンレススチール製ナイフの製造を決断するなど、伝統を踏襲しながらも常に新 しい技術を取り入れる柔軟な姿勢は、今日のビクトリノックスにも脈々と受け継がれています。

この125年間で培ってきた厚い信頼は、世界の高峰に挑むアルピニストたちが偉業を成し得てきたこと、スペースシャトル乗組員の標準装備のひとつに採用さ れていることからも証明されています。また、その魅力は、単なる機能や利便性だけで語られるものではありません。ニューヨーク近代美術館、ミュンヘン国立 応用芸術美術館では、マルチツールをグッドデザインコレクションのひとつとして収蔵し、アートと見まごう美しさと賞賛しています。ビクトリノックスの精神 は、いまやマルチツール、キッチンナイフだけではなく、機能美あふれるリストウォッチ、使いやすさと機能性を兼ね備えたトラベルギアやビジネスギア、さら には、デザインと機能性を兼ね備えたアパレルに息づいています。ビクトリノックスは、ライフスタイルをトータルに提案するブランドへとさらなる発展を遂げ ています。